【食べ過ぎ対策】食欲の秋こそ薬膳!旬食材で体質改善レシピ

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「食欲の秋」に食べ過ぎてしまうのは、実は秋の季節がもたらす体の自然な変化が関係しています。この記事では、秋に食べ過ぎてしまう原因を解明し、薬膳の知恵で心身のバランスを整える方法をご紹介。あなたの体質に合わせた旬食材の薬膳レシピや、手軽に取り入れられる薬膳茶、食生活のコツまで、この秋を健やかに過ごすためのヒントが満載です。食べ過ぎの悩みを解消し、体質改善しながら、秋の味覚を心ゆくまで楽しみましょう。

目次

1. 食欲の秋に食べ過ぎてしまうのはなぜ?

秋は実りの季節であり、私たちの食欲を刺激する旬の食材が豊富に並びます。しかし、「食欲の秋」という言葉の通り、ついつい食べ過ぎてしまうという悩みもつきものです。なぜ秋になると食欲が増進し、食べ過ぎに繋がってしまうのでしょうか。そこには、季節の変化がもたらす体の生理的な反応と、私たちの心理的な要因が深く関わっています。

1.1 秋の季節と体の変化

秋に食欲が増すのは、実は私たちの体が本能的に冬に備えようとする自然なメカニズムによるものです。具体的には、以下の要因が複合的に作用しています。

  • 気温の低下とエネルギー消費の増加
    秋が深まり気温が下がると、私たちの体は体温を一定に保つために多くのエネルギーを必要とします。このため、体が自然とエネルギー源となる食べ物を求めるようになり、食欲が増進します。
  • 日照時間の減少とホルモンバランスの変化
    秋は夏に比べて日照時間が短くなります。日照時間の減少は、幸福感や食欲抑制に関わる神経伝達物質である「セロトニン」の分泌量を低下させることが知られています。セロトニンが不足すると、気分が落ち込みやすくなったり、食欲が増したりする傾向があります。また、睡眠を促す「メラトニン」の分泌が増えることで、活動量が減り、体が休息を求めるようになることも影響します。
  • 本能的な冬への備え
    かつて飢餓の時代を経験してきた人類の体は、寒い冬を乗り切るために、秋のうちに栄養を蓄えようとする本能的な働きを持っています。特に脂肪は効率の良いエネルギー源であるため、体が脂肪を蓄えやすい状態になり、高カロリーなものを求める傾向が強まります。
  • 旬の食材の豊富さ
    秋は、新米、栗、さつまいも、きのこ、鮭、サンマなど、美味しくて栄養豊富な旬の食材が市場に溢れる季節です。これらの食材は、見た目や香り、味覚を通して私たちの食欲を強く刺激し、「美味しいものをたくさん食べたい」という心理的な欲求を高めます。

1.2 食べ過ぎが招く体の不調

秋の食欲増進は自然なことですが、その欲求のままに食べ過ぎてしまうと、心身に様々な不調を招く可能性があります。一時的な不快感だけでなく、長期的な健康リスクにもつながることがあるため、注意が必要です。

不調の種類具体的な症状体への影響
消化器系の不調胃もたれ、胸焼け、腹部の張り、便秘、下痢胃腸に過度な負担がかかり、消化機能が低下します。腸内環境の悪化にも繋がります。
代謝系の不調体重増加、肥満、高血糖、高脂血症、高血圧摂取カロリーが消費カロリーを上回り、体脂肪が増加します。生活習慣病のリスクが高まります。
全身の不調倦怠感、集中力の低下、肌荒れ、睡眠の質の低下消化にエネルギーが使われすぎたり、血糖値の急激な変動が起きたりすることで、体がだるく感じたり、集中力が散漫になったりします。栄養バランスの偏りから肌トラブルを招くこともあります。
精神的な不調自己嫌悪、ストレス、気分の落ち込み食べ過ぎてしまったことへの罪悪感や、体調不良によるイライラが精神的なストレスとなり、心の健康にも影響を及ぼすことがあります。

これらの不調を避けるためにも、秋の食欲と上手に付き合い、体に優しい食生活を心がけることが大切です。次の章からは、薬膳の知恵を活かして、秋の食べ過ぎ対策と体質改善について詳しく見ていきましょう。

2. 薬膳とは?食欲の秋にこそ取り入れたい理由

2.1 薬膳の基本的な考え方

薬膳とは、単に薬効のある食材を使う料理のことではありません。中国の伝統医学である中医学の理論に基づき、個人の体質やその時々の体調、そして季節に合わせて食材を選び、調理することで、心身のバランスを整え、健康を維持・増進することを目指す食事法です。薬膳の根底には「医食同源」という考え方があります。これは、日々の食事が病気の予防や治療に繋がるという思想であり、まさに「食べることは生きること」という言葉を体現しています。

薬膳では、食材が持つ一つ一つの特性を理解し、組み合わせることで相乗効果を生み出します。主な考え方としては、以下の要素が挙げられます。

薬膳の基本概念内容秋の薬膳における役割
五性(ごせい)食材の温めたり冷やしたりする性質(熱・温・平・涼・寒)秋の冷え対策や、乾燥による熱感の調整に役立ちます。
五味(ごみ)食材の味(酸・苦・甘・辛・鹹)とそれがもたらす働き秋は甘味で滋養を補い、辛味で巡りを促すなど、バランスを重視します。
帰経(きけい)食材がどの臓腑(五臓六腑)に作用するか秋に弱りやすい肺や胃腸に働きかける食材を選びます。
気・血・水(き・けつ・すい)生命活動を支える3つの要素(エネルギー、栄養、体液)これらが滞りなく巡ることで、秋の不調を防ぎ、体全体を健やかに保ちます。

これらの概念に基づき、旬の食材を取り入れることが薬膳では非常に重要視されます。旬の食材は、その季節の体に最も適した栄養とエネルギーを豊富に含んでいるため、自然の恵みを最大限に活かし、効率的に体質改善や体調管理を行うことができるのです。

2.2 秋の薬膳が心身にもたらす効果

「食欲の秋」という言葉が示すように、秋は食欲が増進しやすい季節です。しかし、この時期は夏の疲れが残っていたり、気温の変化が激しかったりするため、体調を崩しやすい時期でもあります。薬膳を秋の食事に取り入れることで、以下のような多岐にわたる効果が期待できます。

  • 乾燥対策と潤い補給
    秋は空気が乾燥し、肌や喉、鼻、肺などが乾燥しやすくなります。薬膳では、梨、白きくらげ、山芋などの体を潤す「滋陰(じいん)」作用のある食材を積極的に取り入れ、内側から乾燥を防ぎます。これは、特に呼吸器系が弱りやすい秋の養生において非常に重要です。
  • 胃腸の働きを整える
    夏に冷たいものを摂りすぎたり、食欲不振だったりした胃腸は、秋になると疲れが表面化しやすくなります。薬膳では、かぼちゃ、さつまいも、栗、きのこ類など、胃腸を優しく労わり、消化吸収を助ける食材を選びます。これにより、過剰な食欲を穏やかにし、食べ過ぎによる胃もたれや消化不良を防ぐ効果も期待できます。
  • 免疫力の向上
    季節の変わり目は、体温調節が難しく、免疫力が低下しやすい時期です。薬膳では、体を温め、「気(き)」を補う食材(鶏肉、もち米など)や、免疫細胞の働きを助ける食材(きのこ類、根菜類など)を取り入れることで、風邪などの感染症にかかりにくい体づくりをサポートします。
  • 精神的な安定
    日照時間の短縮や気温の変化は、自律神経の乱れを引き起こし、気分が落ち込みやすくなることがあります。薬膳では、リラックス効果のある食材(なつめ、百合根など)を取り入れたり、温かい食事で心身を落ち着かせたりすることで、精神的な安定を促し、秋のうつうつとした気分を和らげる手助けをします。
  • 食べ過ぎの抑制とデトックス
    「食欲の秋」に誘われて食べ過ぎてしまうことはよくありますが、薬膳では体の巡りを良くし、余分なものを排出する「利水(りすい)」や「化痰(かたん)」作用のある食材も活用します。これにより、過剰な食欲を抑え、体内に溜まった老廃物を排出しやすくすることで、自然と健康的な食生活へと導きます。

このように、秋の薬膳は、単なる旬の食材を楽しむだけでなく、中医学の知恵に基づき、秋特有の体の変化に寄り添いながら、心身のバランスを整えるための強力なサポートとなります。食欲が増すこの季節だからこそ、薬膳の考え方を取り入れ、美味しく健康的な秋を過ごしましょう。

3. 体質別 食欲の秋の薬膳対策

食欲の秋は、旬の食材が豊富でついつい食べ過ぎてしまいがちですが、その影響はあなたの体質によって大きく異なります。薬膳では、一人ひとりの体質を見極め、それに合わせた食材や調理法を選ぶことで、体の不調を未然に防ぎ、健やかな状態を保つことを目指します。この章では、簡単なチェックリストであなたの体質を把握し、秋に特に気をつけたい体質ごとの具体的な薬膳対策をご紹介します。

3.1 あなたの体質は?簡単なチェックリスト

まずは、以下の質問に答えて、ご自身の体質タイプを大まかに把握してみましょう。当てはまる項目が多いほど、その体質傾向が強いと考えられます。

質問項目乾燥体質傾向冷え体質傾向消化器が弱い傾向
肌や髪が乾燥しやすい、かゆみを感じやすい
喉が渇きやすい、空咳が出やすい
便が硬く、便秘になりやすい
手足が冷えやすい、厚着をしていても寒さを感じる
お腹を壊しやすい、下痢をしやすい
温かい飲み物や食べ物を好む
食後に胃もたれしやすい、お腹が張りやすい
食欲はあるが、少量で満腹感を感じる、または食べ過ぎるとすぐに不調になる
疲れやすい、体がだるいと感じることが多い

いかがでしたでしょうか?複数の項目にチェックがついた方もいらっしゃるかもしれません。ご自身の傾向を把握し、次の章でご紹介する対策を参考にしてください。

3.2 秋に気をつけたい体質とおすすめ薬膳食材

秋は季節の変わり目であり、乾燥や気温の低下、そして食欲の増進といった要素が重なり、特定の体質にとっては不調が出やすい時期です。ここでは、特に秋に注意したい3つの体質タイプに焦点を当て、それぞれに合わせた薬膳の考え方とおすすめ食材をご紹介します。

3.2.1 乾燥体質の方へ

秋は空気が乾燥し、私たちの体もその影響を受けやすくなります。特に乾燥体質の方は、肌や髪のパサつき、喉の不調、空咳、便秘といった症状が出やすくなります。薬膳では、このような状態を「燥邪(そうじゃ)」が体に入り込んだと考え、体の中から潤いを補う「滋陰潤燥(じいんじゅんそう)」の食材を取り入れることが大切です。

おすすめ食材:

食材カテゴリ具体例期待される効果
果物梨、柿、ぶどう、りんご肺を潤し、喉の乾燥や咳を和らげる
柑橘類(みかんなど)気の巡りを良くし、乾燥によるイライラを鎮める
いちじく腸を潤し、便通を改善する
ざくろ喉の渇きを癒し、肌に潤いを与える
野菜・きのこ白きくらげ、れんこん、山芋、百合根体液を補い、内臓の乾燥を防ぐ
オクラ、なめこ粘液質が豊富で、喉や胃腸を潤す
ほうれん草、小松菜ビタミンやミネラルが豊富で、体の潤いをサポート
その他ごま、蜂蜜、豆腐、豆乳、アーモンド肺や腸を潤し、美容効果も期待できる

避けるべき食材: 辛味の強いもの(唐辛子、生姜の摂りすぎ)、揚げ物、コーヒー、アルコールなど、体を乾燥させる作用のあるものは控えめにしましょう。水分補給はこまめに行い、特に温かいお茶などを意識して摂るのがおすすめです。

3.2.2 冷え体質の方へ

秋が深まるにつれて気温が下がると、冷え体質の方は手足の冷え、胃腸の不調、肩こり、生理痛の悪化など、体の冷えによる症状が顕著になりやすくなります。薬膳では、体を温め、巡りを良くする「温中散寒(おんちゅうさんかん)」の食材を取り入れることで、内側から体を温めることを目指します。

おすすめ食材:

食材カテゴリ具体例期待される効果
根菜類生姜、ねぎ、かぼちゃ、ごぼう、にんじん、大根(加熱したもの)体を温め、血行を促進する
れんこん(加熱したもの)体を温め、胃腸を整える
山芋滋養強壮効果があり、冷えによる疲労回復に役立つ
肉類鶏肉、羊肉体を温める作用が強く、気力を補う
牛肉体を温め、血を補う
魚介類鮭、えび、あじ体を温め、消化吸収を助ける
いわし体を温め、血行を促進する
香辛料・その他シナモン、山椒、唐辛子(少量)、黒砂糖体を温め、血行を促進し、胃腸の働きを助ける
もち米体を温め、胃腸を保護する

避けるべき食材: 生野菜、冷たい飲み物、体を冷やす夏野菜(きゅうり、なす、トマトなど)、清涼飲料水は控えめにし、温かいものを中心に摂りましょう。調理法も、煮込み料理や蒸し料理など、体を温める方法を選ぶと良いでしょう。

3.2.3 消化器が弱い方へ

食欲の秋は美味しいものがたくさんありますが、消化器が弱い方は食べ過ぎると胃もたれ、膨満感、下痢、便秘といった消化器系の不調を起こしやすくなります。薬膳では、胃腸の働きを助け、消化吸収能力を高める「健脾益気(けんぴえっき)」を意識した食材選びが重要です。胃腸に負担をかけず、栄養をしっかり吸収できる体を目指しましょう。

おすすめ食材:

食材カテゴリ具体例期待される効果
穀物お米(特に粥)、もち米、はと麦胃腸に優しく、消化吸収を助け、気を補う
きび、あわ胃腸を健やかにし、消化を促進する
玄米(よく噛んで食べる)食物繊維が豊富で、腸内環境を整える
豆類大豆(豆腐、納豆など)、小豆、そら豆胃腸を丈夫にし、体の余分な水分を排出する
いんげん豆消化を助け、むくみ改善にも役立つ
野菜・きのこキャベツ、大根、かぶ、山芋、きのこ類(しいたけ、えのきなど)胃腸の働きを整え、消化を促進する
かぼちゃ、さつまいも甘味があり、胃腸を養い、気を補う
生姜(少量)、長ねぎ(加熱したもの)体を温め、胃腸の働きを活発にする
その他鶏肉、白身魚、卵、はちみつ良質なタンパク質やエネルギー源となり、胃腸に負担をかけにくい

避けるべき食材: 油っこいもの、生もの(刺身など)、冷たいもの、加工食品、刺激物(香辛料の過剰摂取)は胃腸に負担をかけやすいので控えましょう。食事はよく噛んでゆっくり食べ、腹八分目を心がけることが大切です。

4. 食欲の秋におすすめ!旬食材を使った薬膳レシピ

食欲の秋にぴったりな、旬の食材をふんだんに使った薬膳レシピをご紹介します。日々の食事に手軽に取り入れられるものばかりですので、ぜひお試しください。

4.1 体を潤すきのこの薬膳スープ

秋は空気が乾燥しやすく、体の内側も乾きがちになります。このきのこの薬膳スープは、肺を潤し、乾燥から体を守るのに役立ちます。体を温める効果も期待でき、冷え対策にもおすすめです。

4.1.1 材料(2人分)

食材分量薬膳的効能
しいたけ4枚気を補い、胃腸を整える、免疫力アップ
えのきだけ1/2袋腸を潤し、便通を促す
しめじ1/2袋胃腸を整え、気を補う
鶏もも肉100g気を補い、体を温める
生姜薄切り3枚体を温め、発汗を促す
長ねぎ(青い部分)5cm体を温め、発散作用
400ml
大さじ1
少々
醤油小さじ1

4.1.2 作り方

  1. 鶏もも肉は一口大に切り、酒を振っておく。きのこ類は石づきを取り、ほぐしたり薄切りにする。
  2. 鍋に水、生姜、長ねぎの青い部分、鶏もも肉を入れて火にかける。
  3. 沸騰したらアクを取り除き、きのこ類を加える。
  4. きのこがしんなりしたら、塩と醤油で味を調える。
  5. 器に盛り付け、お好みで刻みねぎ(白い部分)を散らす。

4.1.3 薬膳ポイント

  • きのこは「潤肺(じゅんはい)」の働きがあり、乾燥しやすい秋の肺をサポートします。
  • 鶏肉は「気(き)」を補い、体力をつける効果が期待できます。
  • 生姜と長ねぎで体を温め、冷えによる不調を防ぎます

4.2 胃腸を整えるさつまいもと栗の炊き込みご飯

秋は美味しいものが多く、つい食べ過ぎて胃腸に負担をかけがちです。この炊き込みご飯は、脾胃(消化器系)を健やかに保ち、食欲の秋を楽しみながらも体の内側から整えるのに役立ちます。甘みのある食材で、心も体も満たされる一品です。

4.2.1 材料(2合分)

食材分量薬膳的効能
2合気を補い、胃腸を養う
さつまいも1/2本(約150g)脾胃を補い、気を補う、便通を促す
むき栗100g脾腎を補い、気を補う
だし汁360ml
大さじ1
みりん大さじ1
醤油大さじ1
小さじ1/2
黒ごま(飾り用)適量腎を補い、老化防止

4.2.2 作り方

  1. 米は洗ってざるにあげ、30分ほど置いておく。
  2. さつまいもは皮をむき、1.5cm角に切って水にさらす。むき栗は大きい場合は半分に切る。
  3. 炊飯器に米、だし汁、酒、みりん、醤油、塩を入れ、軽く混ぜる。
  4. 水気を切ったさつまいもとむき栗を米の上にのせ、通常通り炊飯する。
  5. 炊き上がったら全体を優しく混ぜ、器に盛り付け、お好みで黒ごまを散らす。

4.2.3 薬膳ポイント

  • さつまいもは「脾(ひ)」の働きを助け、胃腸の消化吸収能力を高めます。
  • 栗は「脾(ひ)」と「腎(じん)」を補い、体を内側から強くする効果が期待できます。
  • 米は「気(き)」の源となり、日々の活力を生み出します。

4.3 免疫力アップ!鮭と根菜の薬膳蒸し

季節の変わり目である秋は、体調を崩しやすい時期でもあります。この鮭と根菜の薬膳蒸しは、気血(きけつ)を補い、体を温め、免疫力を高めるのに役立ちます。蒸し料理なので、食材の栄養を逃がさず、油分も控えめに調理できます。

4.3.1 材料(2人分)

食材分量薬膳的効能
生鮭切り身2切れ気血を補い、体を温める、消化を助ける
大根100g消化を助ける、肺を潤す
人参1/2本脾胃を補い、血を補う
ごぼう1/3本腸を整える、デトックス効果
しめじ1/2袋胃腸を整え、気を補う
生姜薄切り2枚体を温め、発汗を促す
大さじ1
塩、こしょう少々
ポン酢(お好みで)適量

4.3.2 作り方

  1. 鮭は塩、こしょうを振っておく。大根、人参、ごぼうはピーラーで薄切りにするか、細切りにする。しめじは石づきを取り、ほぐす。
  2. 蒸し器にクッキングシートを敷き、大根、人参、ごぼう、しめじ、生姜の順に並べる。
  3. その上に鮭をのせ、酒を全体に振りかける。
  4. 蒸し器の蓋をして、中火で10~15分、鮭に火が通り、野菜が柔らかくなるまで蒸す。
  5. 器に盛り付け、お好みでポン酢をかけていただく。

4.3.3 薬膳ポイント

  • 鮭は「気(き)」と「血(けつ)」を補い、体を温めることで免疫力向上をサポートします。
  • 大根は消化を助け、肺を潤す効果も期待できます。
  • 人参は「脾胃(ひい)」を補い、ごぼうは腸内環境を整えるのに役立ちます。
  • 蒸し料理は食材の滋養を逃がしにくく、体に優しい調理法です。

5. 薬膳を取り入れた食欲の秋の過ごし方

5.1 食事の摂り方のコツ

食欲の秋は、美味しいものがたくさん出回る季節です。しかし、ついつい食べ過ぎてしまいがちなこの時期だからこそ、薬膳の知恵を活かした食事の摂り方が重要になります。食べ過ぎを防ぎ、消化吸収を助けることで、秋の不調を未然に防ぎ、健やかな体づくりを目指しましょう。

以下に、薬膳の観点から見た食欲の秋の食事の摂り方のコツをまとめました。

食事のコツ薬膳的効果
ゆっくりとよく噛んで食べる食べ物を細かくすることで胃腸の負担を減らし、消化吸収を助けます。また、満腹中枢が刺激されやすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
「腹八分目」を意識する胃腸に過度な負担をかけず、「気(エネルギー)」の巡りをスムーズに保ちます。食べ過ぎは「気」の滞りを招き、消化不良や倦怠感の原因となることがあります。
温かいものを中心に摂る秋は気温が下がり、体が冷えやすくなる季節です。温かい食事や飲み物は、胃腸の働きを活発にし、冷えから体を守ります。特に朝食は温かいものを摂るよう心がけましょう。
旬の食材を積極的に取り入れる旬の食材には、その季節の体が必要とする栄養素やエネルギーが豊富に含まれています。秋の旬食材は、体の乾燥を防ぎ、胃腸を労わる作用を持つものが多いため、積極的に食卓に取り入れましょう。
食事の時間に気を配る特に夕食は、就寝の3時間前までに済ませるのが理想です。遅い時間の食事は胃腸に負担をかけ、消化不良や睡眠の質の低下につながります。胃腸を休ませる時間を作ることで、翌日の活動エネルギーを効率よく生成できます。

これらのコツを意識することで、食欲の秋を楽しみながらも、体への負担を減らし、薬膳の力で内側から健やかな状態を保つことができます。

5.2 薬膳茶で手軽に体質改善

日々の生活に薬膳を取り入れるのは難しそう、と感じる方もいるかもしれません。しかし、薬膳茶なら手軽に始められ、忙しい毎日の中でも継続しやすいのが大きな魅力です。秋の体質や不調に合わせて薬膳茶を選び、体のバランスを整えましょう。

薬膳茶は、特定の食材や生薬を組み合わせることで、体質改善や不調の緩和を目指す飲み物です。温かい薬膳茶を飲むことは、体を内側から温め、リラックス効果をもたらし、精神的な安定にも繋がります。

ここでは、秋におすすめの薬膳茶とその効果、体質別の選び方をご紹介します。

薬膳茶の材料おすすめの体質・症状期待できる効果
なつめと生姜冷え体質、胃腸が弱い方、貧血気味の方体を温め、胃腸の働きを助け、「気(エネルギー)」と「血」を補い、精神安定にも役立ちます。
菊花とクコの実乾燥体質、目の疲れ、イライラしやすい方体の余分な熱を冷まし、「潤い」を与え、目の疲れを和らげ、リラックス効果も期待できます。
陳皮(みかんの皮)とハトムギ消化器が弱い方、むくみやすい方、痰が多い方消化を助け、「気」の巡りを良くし、体内の余分な水分や湿気を排出するのを促します。
かりんと羅漢果喉の乾燥、咳が出やすい方、甘いものが欲しい方喉を潤し、咳を鎮める効果が期待できます。羅漢果は自然な甘みがあり、喉の不快感を和らげます。

これらの薬膳茶は、市販のティーバッグや乾燥した材料を組み合わせて、お湯を注ぐだけで簡単に作ることができます。毎日のティータイムに薬膳茶を取り入れることで、秋の体調管理をより効果的に、そして美味しく行うことができるでしょう。

6. まとめ

「食欲の秋」は自然な摂理ですが、食べ過ぎは体調不良の原因になりがちです。本記事では、この時期特有の体の変化と、それに合わせた薬膳の知恵をご紹介しました。薬膳は、旬の食材を使い、ご自身の体質に合わせたケアをすることで、過剰な食欲を抑え、胃腸の働きを整え、乾燥や冷えといった秋の不調を和らげる効果が期待できます。ご紹介した体質別のアドバイスや、きのこ、さつまいも、鮭などの身近な食材を使ったレシピ、そして手軽な薬膳茶などを活用し、今年の秋は心身ともに健やかに過ごしましょう。

この記事を書いた人

石倉 るみ (公式アンバサダー)

薬に頼らず整える薬膳🌿
栄養士歴18年、薬膳料理教室を主宰するママ栄養士です。
スポーツ栄養インストラクターとして、
家庭でも実践できる「簡単薬膳」を発信しています。
軽度ADHDの息子を育てる中で、心と体を整える食卓の大切さを実感。
同じように頑張る方々に寄り添いながら、健やかな毎日を支える食を提案しています。
【体質別相談はこちら】
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