夏の疲れをリセット!秋に備えるボディケアは薬膳で決まり。カンタン薬膳レシピで体調管理

  • URLをコピーしました!

夏の暑さで溜まった疲れ、そのままにしておくと秋の不調につながることも。本記事では、そんな夏の疲れをリセットし、乾燥や風邪といった秋特有の体調変化に負けない体を作る「薬膳」に注目します。
体質や季節に合わせた食事法である薬膳が、なぜ秋のボディケアに最適なのかを解説。さらに、今日から実践できる身近な食材を使ったカンタン薬膳レシピを多数ご紹介。食事だけでなく、睡眠や運動と組み合わせることで、心身ともに健やかな秋を迎える準備が整います。

目次

夏の疲れをリセットして秋の体調変化に備えよう

厳しい暑さが続く夏が終わり、ようやく過ごしやすい季節が訪れるとホッと一息つく方も多いでしょう。
しかし、実はこの時期こそ、夏の間に蓄積された体の疲れが表面化し、秋の不調を引き起こしやすい時期なのです。

秋は過ごしやすい反面、気温の急激な変化や空気の乾燥など、体にとっては新たなストレス要因が増える季節。夏の疲れをリセットし、秋の体調変化にしっかり備えることが、健康で快適な毎日を送るための鍵となります。

夏の疲れが体に与える影響

夏の暑さは、知らず知らずのうちに私たちの体に大きな負担をかけています。冷たい飲食物を摂りすぎたり、冷房の効いた部屋で過ごしすぎたりすることで、体は内外から冷やされ、自律神経のバランスが乱れがちになります。また、大量の汗をかくことでミネラルが失われ、体力が消耗することも。

具体的な夏の疲れの症状と、それが秋にどのように影響するかをまとめました。

夏の疲れの主な症状秋に起こりやすい体調変化(悪化の可能性)
身体のだるさ、倦怠感慢性疲労、気力の低下、季節性うつ
食欲不振、胃腸の不調消化不良、便秘・下痢、栄養吸収の低下
冷房による冷え手足の冷え、むくみ、風邪をひきやすい
睡眠の質の低下不眠、寝起きのだるさ、自律神経の乱れ
紫外線による肌ダメージ肌の乾燥、くすみ、バリア機能の低下

これらの症状は、夏の間に少しずつ蓄積され、秋になって気温が下がり始めると一気に表面化することが少なくありません。

秋に起こりやすい体調変化とその原因

秋は、日中の残暑と朝晩の冷え込みが入り混じる寒暖差の大きい季節です。この急激な気温の変化に体が適応しきれず、自律神経が乱れやすくなります。

また、空気が乾燥し始めることも秋の大きな特徴です。乾燥は、肌のかさつきや喉の痛み、咳などの呼吸器系のトラブルを引き起こしやすくなります。さらに、日照時間が短くなることで、気分の落ち込みや睡眠の質の低下を感じる方もいるでしょう。

夏の疲れが残ったままだと、これらの秋特有の環境変化に対応しきれず、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、アレルギー症状が悪化したりする可能性が高まります。

夏の疲れを放置するとどうなる?

「たかが夏の疲れ」と軽視して放置してしまうと、秋の不調が長引き、さらに深刻な状態へとつながる恐れがあります。

  • 免疫力の低下:風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
  • 慢性的な疲労:だるさや倦怠感が続き、仕事や日常生活に支障をきたすことも。
  • 肌トラブルの悪化:乾燥や紫外線ダメージが蓄積し、肌荒れやくすみが定着する可能性があります。
  • 精神的な不調:自律神経の乱れや日照時間の減少により、気分の落ち込みや不眠が悪化することも。

快適な秋を過ごすためには、夏の疲れを早めにリセットし、秋の体調変化に負けない体づくりを始めることが非常に重要です。次の章では、その具体的な方法として薬膳がなぜおすすめなのかを詳しく解説していきます。

秋に備えるボディケアに薬膳がおすすめな理由

夏の厳しい暑さや冷たいものの摂りすぎ、冷房による冷えなど、夏の間知らず知らずのうちに体に負担がかかっています。この夏の疲れが残ったままだと、気温や湿度が大きく変化する秋に体調を崩しやすくなります。特に、秋は空気が乾燥し始めるため、肌や喉の乾燥、免疫力の低下といった不調を感じやすくなる時期です。

このような秋特有の体調変化に備えるボディケアとして、薬膳が非常に有効です。薬膳は、単に栄養を摂るだけでなく、季節や個人の体質に合わせて食材を選び、体の内側からバランスを整えることを目的としています。夏の疲れをリセットし、秋の乾燥や冷えに負けない体を作るために、薬膳を取り入れてみましょう。

秋の薬膳で重視する「潤い」と「肺」

秋は、夏の湿気がなくなり、空気が乾燥し始める季節です。中医学では、この「乾燥」が体に悪影響を与える「燥邪(そうじゃ)」として認識されています。燥邪は、特に体の表面や呼吸器系に影響を与えやすく、肌の乾燥、喉の痛み、空咳、鼻の乾燥といった症状を引き起こしやすくなります。

そして、秋の薬膳で特に大切にする臓器が「肺(はい)」です。中医学における「肺」は、西洋医学の肺だけでなく、呼吸器系全体、皮膚、そして免疫機能も司ると考えられています。肺は乾燥に弱く、秋の燥邪によってその機能が低下しやすいとされています。肺の機能が低下すると、呼吸器系の不調だけでなく、皮膚の乾燥やかゆみ、さらには免疫力の低下にもつながり、風邪をひきやすくなるなどの影響が出ることがあります。

そのため、秋の薬膳では、「潤い」を補い、「肺」を健やかに保つことを最優先します。具体的には、体の内側から潤いをチャージし、乾燥から肺を守る食材を積極的に取り入れることが重要です。これにより、肌や喉の乾燥を防ぎ、呼吸器系の機能を高め、秋の不調に負けない体を作ることができます。

秋の不調と薬膳の視点関連する臓腑薬膳での対策
肌の乾燥、かゆみ肺(皮膚を司る)肺を潤し、皮膚に栄養を与える食材を摂る。
喉の乾燥、空咳肺(呼吸器を司る)肺に潤いを与え、炎症を鎮める食材を摂る。
便秘肺(大腸と関係が深い)腸を潤し、便通を促す食材を摂る。
免疫力低下、風邪肺(免疫機能を司る)肺の機能を高め、体を温める食材を摂る。

今日からできるカンタン薬膳レシピで体調管理

夏の暑さで消耗した体は、秋の訪れとともに体調を崩しやすくなります。そんな時期だからこそ、日々の食事に薬膳の知恵を取り入れ、内側から体調を整えることが重要です。難しく考える必要はありません。身近な食材を使って、今日から実践できるカンタン薬膳レシピをご紹介します。夏の疲れを癒やし、秋の乾燥や免疫力低下に備え、健やかな毎日を送りましょう。

夏の疲れを癒やすおすすめ食材

夏の暑さで失われた「気(エネルギー)」や「津液(体液)」を補い、胃腸の働きをサポートする食材を選びましょう。体内の熱を冷まし、余分な水分を排出する効果のある夏野菜も、上手に取り入れることで夏の疲れをリセットできます。

食材薬膳的効能
豚肉気と潤いを補い、滋養強壮に優れる。夏の疲労回復や体力回復に。
豆腐体の熱を冷まし、津液(体液)を補う。胃腸の働きを助け、のどの渇きを癒やす。
緑豆体内の余分な熱を清熱し、解毒作用がある。むくみ対策や暑気あたりにも。
きゅうり・トマト・なす体内の熱を冷まし、利尿作用で余分な水分を排出。夏のクールダウンやむくみ改善に。
冬瓜体内の熱を清熱し、利水作用でむくみを改善。水分代謝を促す。

これらの食材をバランス良く取り入れることで、夏のダメージをリセットし、秋の体調変化にスムーズに対応できる体を作ることができます。

秋の乾燥対策に!潤いアップ薬膳レシピ

秋は空気が乾燥し、「燥邪(そうじゃ)」が肺を傷つけやすい季節です。肺は呼吸器だけでなく、皮膚や粘膜の潤いにも深く関わっています。乾燥による肌荒れ、空咳、喉の不調などを防ぐために、潤いを補う食材を積極的に摂り入れましょう。

梨と白きくらげのデザートスープ

肺を潤し、咳を鎮め、美肌効果も期待できる薬膳デザートです。とろりとした白きくらげの食感が心地よく、心身を癒やしてくれます。

材料(2人分):

  • 梨:1/2個
  • 乾燥白きくらげ:5g
  • クコの実:小さじ1
  • 水:300ml
  • 氷砂糖:大さじ1〜2(お好みで)

作り方:

  1. 白きくらげは水で戻し、石づきを取り除いて小さくちぎる。
  2. 梨は皮をむき、芯を取り除いて一口大に切る。
  3. 鍋に水、白きくらげ、梨を入れ、弱火で20分ほど煮込む。
  4. クコの実と氷砂糖を加え、氷砂糖が溶けるまでさらに煮込む。
  5. 温かいままでも、冷やしても美味しくいただけます。

薬膳的効能:梨は肺を潤し熱を冷ます作用があり、白きくらげは「潤肺止咳(じゅんはいしせき)」といって、肺を潤して咳を鎮める働きに優れています。秋の乾燥による空咳や喉の不調、肌の乾燥対策にぴったりです。

れんこんと鶏肉の滋養煮

胃腸を整え、気血を補い、秋の乾燥から体を守る滋味深い一品です。食物繊維も豊富で、腸内環境の改善にも役立ちます。

材料(2人分):

  • 鶏もも肉:1枚(約250g)
  • れんこん:150g
  • ごぼう:50g
  • にんじん:1/2本
  • 生姜:1かけ
  • だし汁:200ml
  • 醤油:大さじ2
  • みりん:大さじ2
  • 酒:大さじ1
  • ごま油:小さじ1

作り方:

  1. 鶏もも肉は一口大に切り、れんこんは皮をむいて乱切りにし、酢水にさらす。ごぼうはささがきにして水にさらし、にんじんは乱切りにする。生姜は薄切りにする。
  2. 鍋にごま油を熱し、鶏肉を炒める。肉の色が変わったら、れんこん、ごぼう、にんじん、生姜を加えてさらに炒める。
  3. だし汁、醤油、みりん、酒を加え、煮立ったらアクを取り、蓋をして弱火で15〜20分、野菜が柔らかくなるまで煮込む。
  4. 味が染み込んだら火を止め、器に盛り付ける。

薬膳的効能:れんこんは「健脾益胃(けんひえきい)」といって胃腸の働きを助け、肺を潤す効果も期待できます。鶏肉は気を補い、ごぼうやにんじんは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えます。秋の体調を安定させ、免疫力を高めるのに役立ちます。

免疫力アップ!風邪予防の薬膳レシピ

季節の変わり目は体調を崩しやすく、特に秋は空気が乾燥することで、喉や鼻の粘膜が弱まり風邪を引きやすくなります。免疫力を高め、体を温める食材を積極的に取り入れて、風邪を予防しましょう。

きのこたっぷり薬膳味噌汁

腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させるきのこをたっぷり使った味噌汁です。体を温める生姜も加えることで、風邪予防に効果的です。

材料(2人分):

  • お好みのきのこ(しいたけ、えのき、まいたけなど):合計150g
  • 豆腐:1/4丁
  • わかめ(乾燥):3g
  • だし汁:400ml
  • 味噌:大さじ2〜3(お好みで)
  • 生姜(すりおろし):小さじ1/2
  • ねぎ(小口切り):適量

作り方:

  1. きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに切る。豆腐は1.5cm角に切る。わかめは水で戻しておく。
  2. 鍋にだし汁と生姜を入れ、きのこを加えて煮る。
  3. きのこに火が通ったら豆腐とわかめを加え、温める。
  4. 火を止めて味噌を溶き入れ、器に盛り付け、ねぎを散らす。

薬膳的効能:きのこは「補気健脾(ほきけんぴ)」といって、気を補い胃腸の働きを助ける効果があります。食物繊維も豊富で、腸内環境を整え免疫力を高めます。生姜は体を温め、発汗を促すことで初期の風邪症状を和らげます。日々の食事で手軽に免疫力をサポートできる一品です。

生姜とねぎの温活スープ

体を芯から温め、発汗を促すことで、初期の風邪症状の緩和や冷え性改善に役立つシンプルなスープです。手軽に作れるので、体調がすぐれない時にもおすすめです。

材料(1人分):

  • 生姜(薄切りまたは千切り):1かけ分
  • 長ねぎ(白い部分):1/3本
  • 鶏がらスープの素:小さじ1
  • 水:200ml
  • 卵:1個
  • 醤油:小さじ1/2(お好みで)
  • ごま油:少々

作り方:

  1. 長ねぎは斜め薄切りにする。卵は溶きほぐす。
  2. 鍋に水、生姜、鶏がらスープの素を入れ、煮立たせる。
  3. 長ねぎを加え、しんなりしたら溶き卵を回し入れ、ふわっと浮かんできたら火を止める。
  4. お好みで醤油で味を調え、ごま油を数滴垂らす。

薬膳的効能:生姜は「温中散寒(おんちゅうさんかん)」といって、体を温めて寒気を散らす働きに優れています。ねぎの白い部分は「発汗解表(はっかんげひょう)」の作用があり、初期の風邪でゾクゾクする寒気や頭痛に効果的です。体を温め、巡りを良くすることで、免疫力アップをサポートします。

まとめ

夏の疲れは秋の体調不良につながりやすいため、早めのリセットが大切です。薬膳は、体質や季節に合わせた食事法で、特に秋は乾燥対策として「潤い」を補い、「肺」を労わる食材を取り入れることが重要です。今回ご紹介した梨と白きくらげのデザートスープや、きのこたっぷり薬膳味噌汁などのカンタン薬膳レシピを日々の食事に取り入れることで、夏の疲れを癒し、秋の乾燥や風邪に負けない体づくりができます。さらに、質の良い睡眠と適度な運動を組み合わせることで、心身ともに健やかな秋を迎えられるでしょう。今日から薬膳を取り入れて、快適な秋を過ごしましょう。

この記事を書いた人

石倉 るみ (公式アンバサダー)

薬に頼らず整える薬膳🌿
栄養士歴18年、薬膳料理教室を主宰するママ栄養士です。
スポーツ栄養インストラクターとして、
家庭でも実践できる「簡単薬膳」を発信しています。
軽度ADHDの息子を育てる中で、心と体を整える食卓の大切さを実感。
同じように頑張る方々に寄り添いながら、健やかな毎日を支える食を提案しています。
【体質別相談はこちら】
ホルモン美人メソッド
LINE

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次