
夏土用は、暑さや冷たいものの摂りすぎで胃腸が疲れやすい時期です。本記事では、この時期に大切な「脾(ひ)」を労わり、消化に優しい「食べて養生」の薬膳献立を提案します。胃腸に負担をかけにくい蒸し料理やスープごはんを中心に、夏バテを防ぎ元気に過ごすための1週間分のモデルプランを具体的にご紹介。なぜ夏土用に胃腸が弱るのか、どんな食材や調理法が良いのかが分かり、日々の食事で体調を整えるヒントが得られます。
夏土用は胃腸が疲れやすい季節!「脾」を労わる食養生のすすめ
夏土用とは?時期と体調変化の傾向
日本では古くから季節の変わり目を表す「雑節(ざっせつ)」の一つとして、立春、立夏、立秋、立冬の直前約18日間を「土用(どよう)」と呼びます。特に夏の土用は、一年で最も暑さが厳しくなる時期にあたり、体調を崩しやすいとされています。
夏土用の具体的な時期は、立秋の約18日前から立秋の前日までを指し、毎年日付が変わります。この期間は、梅雨明けの蒸し暑さから本格的な夏の猛暑へと移行し、体には大きな負担がかかります。高温多湿な環境が続くことで、汗をかく量が増え、体内の水分やミネラルが失われやすくなります。また、冷たい飲食物を摂りすぎたり、冷房の効いた部屋で過ごしすぎたりすることで、胃腸が冷えて消化機能が低下し、食欲不振やだるさ、下痢などの不調を感じやすくなるのが特徴です。
東洋医学の五行思想では、夏は「火」の性質を持ち、心臓や循環器系に影響を与えやすいとされます。一方で土用は「土」の性質を持ち、脾胃(ひい:消化器系)と深く関連しています。この時期は、夏の「火」の熱と土用の「土」の湿気が合わさり、胃腸に負担がかかりやすい状態になりやすいのです。
胃腸が疲れやすい夏の原因と「脾」の働き
夏に胃腸が疲れやすい主な原因は複数あります。
- 暑さによる体力の消耗: 暑さから体を守るために多くのエネルギーを消費し、内臓機能が低下しやすくなります。
- 冷たい飲食物の過剰摂取: アイスクリームや冷たい飲み物などを摂りすぎると、胃腸が直接冷やされ、消化酵素の働きが鈍くなります。
- 冷房による体の冷え: 室内外の温度差が大きく、体が冷えすぎることで、血行不良や自律神経の乱れが生じ、胃腸の働きが低下します。
- 湿気の影響: 高温多湿な環境は、体内に余分な「湿(しつ)」を溜め込みやすく、むくみや消化不良を引き起こします。
東洋医学では、「脾(ひ)」は消化吸収を司る重要な臓器と考えられています。現代医学の脾臓とは異なり、胃や膵臓、腸など消化器系全体の機能と密接に関わっています。脾の主な働きは以下の通りです。
働き | 詳細 |
---|---|
運化作用(うんかさよう) | 飲食物から栄養(水穀の精微)を消化吸収し、全身に運ぶ働き。気血(きけつ)の生成にも関わります。 |
昇清作用(しょうせいさよう) | 吸収した栄養を上へ持ち上げ、全身に巡らせる働き。内臓が正しい位置に保たれるのも脾の力です。 |
統血作用(とうけつさよう) | 血液が血管外に漏れ出さないようにコントロールする働き。 |
水液代謝(すいえきたいしゃ) | 体内の水分の吸収、運搬、排泄を調整し、むくみなどを防ぐ働き。 |
夏土用のように胃腸に負担がかかる時期は、この「脾」の働きが弱まりやすくなります。脾が弱ると、消化吸収能力が低下し、食欲不振、下痢や軟便、倦怠感、むくみといった症状が現れやすくなります。これを「脾虚(ひきょ)」と呼び、夏バテの主な原因の一つと考えられています。
「食べて養生」が夏土用を乗り切るカギ
夏土用を健康に乗り切るためには、「食べて養生する」ことが非常に重要です。この時期は体力を消耗しやすいため、無理な食事制限や断食は避け、むしろ積極的に栄養を補給することが求められます。
ただし、やみくもに食べるのではなく、胃腸に負担をかけずに消化吸収を助け、「脾」の働きをサポートするような食事を心がけることが大切です。冷たいものや脂っこいもの、消化に時間のかかるものは控え、温かく、あっさりとした、滋養のある食事を選ぶようにしましょう。
薬膳の考え方に基づいた「脾を守る」献立は、夏バテの予防だけでなく、体全体のバランスを整え、夏の不調を和らげる効果が期待できます。消化に優しい調理法を取り入れ、旬の食材の力を借りることで、夏土用を元気に過ごすための土台を築くことができます。次の章からは、具体的な薬膳の基本と献立のモデルプランをご紹介していきます。
消化に優しい「脾を守る」薬膳の基本
薬膳で考える「脾」の役割と胃腸の関係
薬膳において「脾(ひ)」は、西洋医学の脾臓とは異なる概念で、消化吸収の機能全体を指す重要な臓器と考えられています。具体的には、飲食物から栄養を取り込み、全身に運搬する働きを担い、私たちの生命活動の源となる「気(エネルギー)」、「血(血液)」、「津液(体液)」を生み出す要です。
「脾」は、胃とともに飲食物の消化を司り、栄養素を吸収して全身に巡らせる役割を果たします。また、体内の水分の代謝(水液代謝)にも深く関わり、余分な湿(しつ:体内の余分な水分や老廃物)を取り除く働きも持っています。さらに、血が血管外に漏れ出ないように統括する「統血(とうけつ)」の機能も担うため、非常に多岐にわたる重要な働きを担っています。
夏の土用は、高温多湿な気候が続くため、体内に湿がこもりやすく、また冷たい飲食物を摂りすぎることで「脾」の働きが低下しやすい時期です。脾の機能が弱まると、消化不良、食欲不振、下痢、むくみ、倦怠感、だるさなどの胃腸の不調や全身の不調として現れやすくなります。この時期に「脾」を労わる食養生を意識することは、体調を整え、夏バテを防ぐ上で非常に重要です。
夏土用に避けたい食べ物と積極的に取り入れたい食材
夏土用の「脾」を労わるためには、胃腸に負担をかける食べ物を避け、消化を助け、脾の働きを補う食材を積極的に取り入れることが大切です。
夏土用に避けたい食べ物
夏土用は胃腸が疲れやすいため、以下のような食べ物は控えめにしましょう。
- 冷たい飲食物:胃腸を直接冷やし、脾の機能を低下させます。冷たい水、アイスクリーム、かき氷などは避け、常温や温かい飲み物を選びましょう。
- 脂っこいもの:消化に時間がかかり、胃腸に大きな負担をかけます。揚げ物や油を多く使った料理は控えめに。
- 甘すぎるもの:過剰な甘味は体内に湿を生み出しやすく、脾の働きを妨げます。ケーキやチョコレートなどの加工食品は避けましょう。
- 生もの:生の食材は体を冷やし、消化に負担をかけることがあります。特に胃腸が弱っているときは、加熱調理されたものを選びましょう。
- 刺激物:辛すぎるものや香辛料の強いものは、胃腸を刺激し、負担をかける可能性があります。
夏土用に積極的に取り入れたい食材
「脾」の働きを助け、体内の湿を取り除く食材を積極的に取り入れましょう。特に、甘味のある食材は脾を補う作用があり、湿を取り除く作用のある食材は夏土用の不調を和らげるのに役立ちます。
分類 | 主な作用 | 代表的な食材 |
---|---|---|
脾を補う食材(甘味) | 消化吸収機能を高め、気を補う | 米、もち米、山芋、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、なつめ、栗、豆類(大豆、黒豆など) |
湿を取り除く食材(利湿作用) | 体内の余分な水分や老廃物を排出 | はと麦、冬瓜、きゅうり、とうもろこし、枝豆、小豆、緑豆、もやし |
気を補う食材(滋養強壮) | 体力を補い、疲労回復を促す | 鶏肉、牛肉、きのこ類(しいたけ、えのきなど)、卵、豆腐、山芋 |
消化を助ける食材 | 胃腸の働きをサポートし、消化を促進 | 大根、生姜、梅干し、りんご、梨 |
これらの食材をバランスよく献立に取り入れることで、胃腸の負担を減らし、「脾」の働きをサポートすることができます。
消化を助ける調理法「蒸す」「煮る」のすすめ
夏土用の食養生では、食材選びだけでなく、調理法も非常に重要です。胃腸への負担を最小限に抑え、栄養素を効率よく摂取できる「蒸す」と「煮る」という調理法を積極的に取り入れましょう。
- 蒸し料理: 食材を水蒸気で加熱するため、油を使わずヘルシーに仕上がります。食材本来の旨味や栄養素が逃げにくく、ふっくらと柔らかく仕上がるため、消化吸収に優れています。野菜、魚、肉など、様々な食材に応用でき、胃腸に負担をかけずに栄養を摂ることができます。
- 煮込み料理・スープごはん: 食材を長時間煮込むことで、柔らかくなり、消化しやすくなります。スープや煮汁に食材の栄養素が溶け出すため、余すことなく摂取できます。特に、スープごはんは、水分と栄養を同時に補給でき、食欲がない時でも食べやすいのが特徴です。温かいスープは胃腸を温め、脾の働きを助ける効果も期待できます。
これらの調理法を取り入れる際は、味付けは薄めにし、香辛料や油の使用を控えることで、さらに胃腸への負担を軽減できます。また、薬膳の考え方に基づき、食材の持つ性質(体を温める、冷やすなど)を考慮して組み合わせることも大切です。
夏土用を乗り切る!消化に優しい1週間薬膳献立モデルプラン
夏の土用は、厳しい暑さと湿気で体力が消耗し、特に胃腸の働きが低下しやすい時期です。そんな時期を健やかに乗り切るためには、消化に負担をかけず、「脾」の働きを助ける食事を意識することが大切です。ここでは、胃腸を労わりながら栄養をしっかり補給できる、1週間分の薬膳献立モデルプランをご紹介します。蒸し料理やスープごはんを中心に、胃腸に優しく、心身ともに満たされる食事で、夏バテ知らずの体を目指しましょう。
献立作成のポイント
夏土用の薬膳献立を考える上で、いくつか重要なポイントがあります。これらを意識することで、より効果的に胃腸を養い、体の調子を整えることができます。
毎日取り入れたい基本食材と調理法
「脾」の働きを助け、消化を促進するためには、特定の食材と調理法を積極的に取り入れることが推奨されます。
- 消化を助ける食材: 山芋、かぼちゃ、なつめ、きのこ類、生姜、大根、キャベツ、鶏むね肉、白身魚、豆腐、米、もち米など、胃腸に負担をかけにくい食材を選びましょう。これらの食材は、脾の機能を高め、気血を補う働きがあるとされています。
- 体を潤す食材: きゅうり、トマト、冬瓜、梨など、体内の熱を冷まし、潤いを補給する食材も適度に取り入れましょう。
- 消化に優しい調理法: 「蒸す」「煮る」「和える」といった、油を控えめにし、食材の持つ自然な甘みや旨味を引き出す調理法が最適です。揚げ物や炒め物など、油を多く使う料理は胃腸に負担をかけるため、夏土用の時期は控えるのが賢明です。
- 薬味の活用: 生姜、ねぎ、大葉、ミョウガなどの薬味は、消化を助け、食欲増進効果も期待できます。積極的に取り入れましょう。
水分補給と栄養バランスの重要性
夏土用は発汗量が増えるため、適切な水分補給が不可欠です。冷たい飲み物は胃腸を冷やすため、常温の水や白湯、温かい麦茶、または脾を温める効果のある薬膳茶(例えば、生姜とナツメの茶など)を選びましょう。
また、献立全体で炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂ることが重要です。特に、夏バテで食欲が落ちやすい時期だからこそ、五味(甘、酸、辛、苦、鹹)と五色(青、赤、黄、白、黒)を意識し、偏りのない栄養摂取を心がけましょう。これにより、体の内側からエネルギーを補給し、抵抗力を高めることができます。
月曜日の献立 胃腸を温めるスープごはん
週の始まりは、胃腸に優しく、体を温めるスープごはんでスタート。消化吸収を助け、一週間の活力を養います。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食兼主菜 | 鶏肉と生姜の薬膳粥 | 鶏肉は気を補い、生姜は胃腸を温め消化を促進します。米は脾を養い、胃腸の働きを助けます。温かく、とろみのある粥は胃に優しいです。 |
副菜 | キャベツと人参の蒸し和え | キャベツは胃の粘膜を保護し、人参は脾を補います。蒸すことで消化吸収が良くなります。 |
汁物 | (薬膳粥に含む) |
調理のポイント: 鶏肉は細かく切り、生姜は千切りにしてたっぷりと加えます。お好みでクコの実を加えても良いでしょう。
火曜日の献立 疲労回復を促す蒸し料理
夏バテによる疲労を和らげるため、栄養豊富で消化しやすい蒸し料理を取り入れます。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食 | 玄米ごはん(少量) | 白米よりも食物繊維が豊富ですが、消化に配慮し少量に留めます。 |
主菜 | 豚肉と夏野菜の蒸しプレート | 豚肉は体を潤し、疲労回復に役立ちます。ナス、ピーマン、玉ねぎなどの夏野菜は体を冷ましすぎず、ビタミン補給に。蒸すことで食材の旨味が凝縮され、油も控えられます。 |
副菜 | きのこのおろし和え | きのこ類は免疫力を高め、大根おろしは消化を助けます。 |
汁物 | 豆腐とワカメの味噌汁 | 豆腐は熱を冷まし、ワカメは体を潤します。 |
調理のポイント: 豚肉は薄切りを選び、野菜と一緒に蒸し器で蒸します。ポン酢やごまダレでさっぱりといただきましょう。
水曜日の献立 消化を助ける旬野菜の組み合わせ
旬の野菜をたっぷり使い、消化を助け、体の余分な熱を冷ます献立です。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食 | しらすと大葉のごはん | しらすはカルシウムが豊富で、大葉は消化促進作用があります。 |
主菜 | 白身魚の野菜あんかけ | タラやカレイなどの白身魚は消化が良く、たんぱく質を補給します。野菜あんかけは、消化に良いとろみをつけ、胃腸に負担をかけません。 |
副菜 | きゅうりとワカメの酢の物 | きゅうりは体の熱を冷まし、ワカメは体を潤します。酢は食欲増進効果も。 |
汁物 | 冬瓜と鶏ひき肉のスープ | 冬瓜はむくみ解消、利水作用があり、鶏ひき肉は消化の良いタンパク源です。 |
調理のポイント: あんかけには、大根、人参、きのこなど、消化の良い野菜を細かく切って使用します。片栗粉でとろみをつけることで、胃腸に優しくなります。
木曜日の献立 たんぱく質を補給する薬膳粥
滋養強壮と消化促進を兼ね備えた薬膳粥で、不足しがちなたんぱく質を補給します。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食兼主菜 | 卵と鶏ささみの七草粥風 | 卵と鶏ささみは良質なたんぱく源で、消化吸収に優れています。七草(今回は消化の良い葉物野菜で代用)は胃腸を整えます。胃腸が疲れている時でも食べやすい一品です。 |
副菜 | 山芋の短冊 | 山芋は「脾」を補い、消化酵素も豊富で胃腸の働きを助けます。 |
汁物 | (薬膳粥に含む) |
調理のポイント: 鶏ささみは茹でてほぐし、卵は溶き卵にして粥に混ぜ込みます。塩分は控えめにし、薄味に仕上げましょう。
金曜日の献立 体を潤す優しい蒸し魚
週の終わりは、体を潤し、心身をリラックスさせる優しい蒸し魚料理で締めくくります。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食 | 雑穀ごはん(少量) | 様々な栄養素をバランス良く摂れる雑穀米を少量取り入れます。 |
主菜 | 鯛の酒蒸し きのこ添え | 鯛は消化が良く、気を補うとされています。酒蒸しは油を使わず、体を潤す調理法です。きのこは食物繊維が豊富。 |
副菜 | ほうれん草のおひたし | ほうれん草は鉄分が豊富で、夏バテによる貧血予防にも。 |
汁物 | なめこと豆腐の味噌汁 | なめこは胃腸の働きを助け、豆腐は体を潤します。 |
調理のポイント: 鯛は軽く塩を振り、酒を少々かけて蒸します。ポン酢や薬味でシンプルに味わいましょう。
土曜日の献立 滋養強壮を意識した煮込み料理
週末は、少し手間をかけて、体の奥から滋養を補う煮込み料理で、一週間の疲れを癒します。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食 | 白ごはん | 煮込み料理に合わせて、シンプルな白ごはんを選びます。 |
主菜 | 牛肉と根菜の和風煮込み | 牛肉は気を補い、体力をつけるとされています。大根、ごぼう、人参などの根菜は体を温め、脾の働きを助けます。じっくり煮込むことで消化しやすくなります。 |
副菜 | ひじきの煮物 | ひじきは鉄分やミネラルが豊富で、体を潤します。 |
汁物 | なすの味噌汁 | なすは体の熱を冷ます作用があります。 |
調理のポイント: 根菜は柔らかくなるまで煮込み、薄味に仕上げます。生姜の薄切りを加えても良いでしょう。
日曜日の献立 デトックスを促すあっさり献立
週の締めくくりは、デトックス効果を高め、翌週に向けて体をリセットするあっさりとした献立です。
献立項目 | 具体例 | 薬膳的効能・ポイント |
---|---|---|
主食 | お茶漬け(梅干し、海苔) | あっさりとしていて胃に負担をかけず、水分補給にもなります。梅干しは疲労回復、海苔はミネラル補給。 |
主菜 | 冷奴 薬味たっぷり | 豆腐は体を冷まし、消化が良いタンパク源です。生姜、ミョウガ、大葉などの薬味は消化促進、食欲増進に。 |
副菜 | きゅうりとわかめの和え物 | きゅうりは利尿作用があり、体の余分な水分を排出します。 |
汁物 | きのこたっぷりすまし汁 | きのこは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えます。あっさりとしたすまし汁は胃に負担をかけません。 |
調理のポイント: お茶漬けの出汁は、かつお節や昆布でとった和風出汁を温かくして使用します。冷奴は醤油を控えめにし、薬味で風味をプラスしましょう。
まとめ
夏の土用は、暑さや湿気、冷たい飲食物で胃腸が疲れやすい時期。東洋医学でいう「脾」を労わる食養生が、この時期を健やかに過ごす鍵となります。ご紹介した消化に優しい薬膳献立は、胃腸への負担を減らし、必要な栄養を効率よく摂るための工夫が凝らされています。蒸し料理やスープごはんを中心に、旬の食材を取り入れ、体を内側から整えましょう。食事だけでなく、十分な休息や適度な運動、ストレスケアも併せて実践することで、夏バテ知らずの体を作り、残りの夏も元気に過ごせるはずです。今年の夏土用は、「食べて養生」を実践し、心身ともに健やかな日々をお過ごしください。
この記事を書いた人

石倉 るみ (公式アンバサダー)
薬に頼らず整える薬膳🌿
栄養士歴18年、薬膳料理教室を主宰するママ栄養士です。
スポーツ栄養インストラクターとして、
家庭でも実践できる「簡単薬膳」を発信しています。
軽度ADHDの息子を育てる中で、心と体を整える食卓の大切さを実感。
同じように頑張る方々に寄り添いながら、健やかな毎日を支える食を提案しています。
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