不調を改善!“7の倍数”で変わる女性の身体と薬膳ケア:黒ごま・くるみ・山薬で始める補腎・補血レシピ

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女性の身体は、東洋医学の知恵によると“7の倍数”で大きな節目を迎えます。28歳、35歳、42歳、49歳といった年齢ごとの変化を知り、それぞれの時期に合わせた「補腎(ほじん)」と「補血(ほけつ)」の薬膳ケアを取り入れることで、年齢による不調を和らげ、健やかに過ごすことができます。この記事では、黒ごま、くるみ、山薬(長芋)など身近な食材を使った具体的なレシピとともに、あなたの身体を内側から整える方法を詳しくご紹介します。

目次

女性の身体の節目と東洋医学の知恵

女性の身体は、年齢とともにさまざまな変化を経験します。思春期、成熟期、そして更年期へと移り変わる中で、誰もが多かれ少なかれ身体的、精神的なゆらぎを感じるものです。これらの変化は自然なものですが、現代社会のストレスや不規則な生活習慣は、その変化に伴う不調をさらに深刻化させることがあります。漠然としただるさ、気分の落ち込み、肌のトラブル、そして生理周期の乱れなど、多くの女性が自身の身体のサインに戸惑いを感じているのではないでしょうか。

古くから伝わる東洋医学では、女性の身体の変化を独自の視点で捉えてきました。それは、単に年齢を重ねるという線形の変化ではなく、一定の周期で訪れる「節目」として、その時期ごとに適切なケアを行うことの重要性を説いています。特に注目すべきは、「7の倍数」という概念です。この東洋医学の知恵は、女性が生まれ、成長し、成熟し、そして穏やかに老年期を迎えるまでの過程を、驚くほど正確に説明しています。

本記事では、この東洋医学における「7の倍数」の法則に基づき、女性の身体が各節目でどのように変化するのかを深く掘り下げます。そして、それぞれのタイミングで起こりやすい不調に対し、「補腎(ほじん)」と「補血(ほけつ)」という東洋医学の重要なアプローチを核とした薬膳ケアをご紹介します。黒ごま、くるみ、山薬(長芋)といった身近な食材を使い、日々の食事から手軽に取り入れられる具体的なレシピを通じて、あなたの身体が本来持つ力を引き出し、健やかで輝かしい毎日を送るためのヒントを提供します。この東洋医学の知恵と薬膳の力を借りて、あなたの身体と心が調和し、年齢を重ねることを楽しむことができるよう、一緒に学んでいきましょう。

東洋医学の基本 女性の身体は“7の倍数”で変化する

東洋医学では、女性の身体は一定の周期で変化し、それぞれの節目で特有の生理的・身体的特徴が現れると考えられています。この周期は「7の倍数」とされており、古代からの知恵として現代にも受け継がれています。

「腎」と「天癸」 女性の成長と衰えの鍵

東洋医学における「腎(じん)」は、西洋医学の腎臓とは異なり、生命活動の根源となるエネルギーを貯蔵し、成長、発育、生殖、老化といった生命のサイクル全体を司る重要な働きを持つ概念です。具体的には、骨や歯の健康、髪の毛の状態、耳の機能、そして生殖能力に深く関わっています。

この「腎」の働きが充実すると、女性の身体には「天癸(てんき)」という物質が分泌されます。天癸は、女性の生殖能力の発現と維持に不可欠なもので、西洋医学でいうところの性ホルモンのような役割を果たすと考えられています。思春期に天癸が充実することで初潮を迎え、妊娠・出産が可能になり、加齢とともに天癸が減少・枯渇することで更年期症状が現れ、最終的に閉経に至るとされています。

つまり、「腎」の精気の充実と「天癸」の分泌量が、女性の一生における身体の変化、特に生殖機能の盛衰と密接に関わっているのです。この「腎」と「天癸」の状態を理解することが、女性の身体の節目ごとのケアを考える上で非常に重要となります。

なぜ“7の倍数”なのか 古代からの知恵

女性の身体が「7の倍数」で変化するという考え方は、東洋医学の最も古い医学書とされる『黄帝内経(こうていだいけい)』に記述されています。この古典には、「女性は七を以て紀(き)とし、男性は八を以て紀とす」と記されており、女性は7年周期、男性は8年周期で身体の大きな節目を迎えるという自然の法則が示されています。

この7年周期の考え方は、女性のライフステージにおける具体的な変化と見事に合致しています。例えば、7歳で永久歯が生え変わり、14歳(7×2)で天癸が充実し初潮を迎え、生理周期が確立します。21歳(7×3)で身体が成熟し、28歳(7×4)で最も充実した状態となり、妊娠・出産に適した時期を迎えます。その後、35歳(7×5)から徐々に身体に変化が現れ始め、42歳(7×6)で顔に衰えが見え始め、49歳(7×7)で天癸が枯渇し、閉経に至るとされています。

このように、「7の倍数」は、単なる数字の羅列ではなく、女性の身体が持つ自然な成長と衰えのリズムを古代の人々が観察し、体系化した知恵なのです。この周期性を理解することで、それぞれの年齢で起こりやすい不調を予測し、適切な薬膳ケアや生活習慣を取り入れることで、より健やかな毎日を送ることが可能になります。

年齢別 “7の倍数”で迎える女性の身体の変化と薬膳ケア

東洋医学では、女性の身体は7年周期で変化すると考えられています。この「7の倍数」の節目ごとに、身体の状態や現れる不調が異なります。それぞれの時期に合わせた薬膳ケアを取り入れることで、不調を和らげ、健やかな毎日を送ることができます。

28歳前後 女性の身体の充実期と薬膳

身体の変化

28歳前後は、東洋医学でいう「腎気」と「天癸(てんき)」が最も充実し、ピークを迎える時期とされます。この時期は、女性の身体が最も成熟し、生命力がみなぎっています。生理周期は安定し、妊娠・出産にも適した状態です。肌や髪にもハリとツヤがあり、身体全体が活気に満ちています。しかし、仕事や人間関係によるストレス、不規則な生活習慣などが続くと、気血の巡りが滞り、生理不順や肌荒れといった不調が現れやすくなることもあります。

薬膳的アプローチ

この時期は、現在の充実した状態を維持し、将来の健康の土台を築くことが重要です。腎と血を十分に養い、気血の巡りをスムーズに保つことを意識しましょう。栄養バランスの取れた食事を心がけ、過労やストレスを避け、質の良い睡眠をとることが大切です。身体を冷やさないよう温める食材を取り入れ、血の巡りを促進する薬膳も有効です。

35歳前後 身体の転換期と薬膳

身体の変化

35歳前後になると、東洋医学では「陽明脈が衰え始める」とされ、腎気も徐々に下降し始めます。これは、身体の潤いや活力が少しずつ失われ始めるサインです。具体的には、顔にシミやそばかすが増えたり、髪に白髪が混じったり、パサつきが気になったりすることがあります。また、疲れやすさを感じたり、生理周期がわずかに乱れたり、生理前の不調が強まったりするなど、身体の小さな変化に気づくことが増えるかもしれません。代謝の低下も感じやすくなる時期です。

薬膳的アプローチ

この時期の薬膳ケアは、腎と血の消耗を防ぎ、脾胃(消化器系)の働きを強化して気血を生み出す力をサポートすることに重点を置きます。潤いを補い、身体の乾燥を防ぐ食材を積極的に取り入れましょう。また、気血の巡りを良くし、停滞を防ぐことも大切です。適度な運動とリラックスできる時間を持つことで、心身のバランスを保ち、老化のサインを穏やかにしていくことができます。

42歳前後 更年期への準備と薬膳

身体の変化

42歳前後になると、腎気の衰えがさらに顕著になり、更年期への移行期に入ります。東洋医学では、腎陰と腎陽のバランスが崩れやすくなる時期と捉えられます。生理周期がさらに不規則になったり、生理量が減少したりするほか、ホットフラッシュ、のぼせ、発汗、イライラ、不眠、動悸、肩こり、関節の痛みなど、更年期の初期症状が現れ始めることがあります。骨密度の低下も始まりやすい時期です。

薬膳的アプローチ

この時期は、腎陰と腎陽のバランスを整えることが非常に重要です。特に腎陰を滋養し、身体の潤いを保つ食材を意識的に摂りましょう。また、肝の気の滞り(肝鬱)がイライラや精神的な不安定さにつながりやすいため、肝の気を巡らせる食材や、心を落ち着かせる食材も取り入れると良いでしょう。身体を温めすぎず、クールダウンさせる食材と、身体を温める食材をバランス良く組み合わせることが大切です。

49歳前後 更年期の本格化と薬膳

身体の変化

49歳前後になると、腎気と天癸が著しく衰え、多くの女性が閉経を迎える時期となります。更年期症状が本格化し、その種類や程度は個人差が大きいものの、ホットフラッシュ、多汗、不眠、めまい、耳鳴り、動悸、倦怠感、精神的な不安定さ(うつ傾向、不安感)、骨粗しょう症のリスク増加など、多岐にわたる不調が現れやすくなります。この時期は、身体だけでなく精神面でも大きな変化を感じやすい時期です。

薬膳的アプローチ

この時期の薬膳ケアは、腎の機能を深く補い、陰液を滋養することを中心に行います。特に、腎陰を補い、身体の乾燥や熱感を和らげる食材を積極的に摂りましょう。精神的な安定を促す食材や、肝の気を鎮める食材も有効です。消化吸収の良い食事を心がけ、身体に負担をかけないよう配慮することも大切です。全身のバランスを整え、更年期を穏やかに過ごすためのサポートを薬膳で行います。

56歳以降 老年期と薬膳

身体の変化

56歳以降は、腎の機能がさらに衰え、身体の老化が進行する時期です。骨や関節の弱化、記憶力の低下、耳が遠くなる、視力の衰え、免疫力の低下、頻尿、便秘といった症状が顕著になることがあります。東洋医学では、腎が「精」を貯蔵し、骨や脳、生殖機能を司るとされるため、腎の衰えはこれらの機能の低下に直結すると考えられています。

薬膳的アプローチ

老年期の薬膳ケアは、継続的な補腎と「精」を養うことに重点を置きます。身体の潤いを保ち、骨や脳の健康をサポートする食材を積極的に取り入れましょう。また、脾胃の働きを健やかに保ち、消化吸収を助けることで、気血の生成を促し、身体全体の活力を維持することが重要です。免疫力を高める食材も意識し、病気になりにくい身体づくりを目指します。温かく、消化しやすい食事を心がけ、身体に優しい薬膳を継続することが大切です。

4. 不調改善の鍵 補腎と補血の薬膳アプローチ

女性の身体は東洋医学の「7の倍数」の節目で変化しますが、その変化に伴う不調の多くは、「腎(じん)」と「血(けつ)」の機能低下と深く関連しています。これらのバランスを整えることが、健やかな身体を維持し、不調を改善するための鍵となります。

「腎」を補う 補腎とは

東洋医学において「腎」は、西洋医学の腎臓とは異なり、生命活動の根源となる「精(せい)」を貯蔵する重要な臓器と考えられています。精は、成長、発育、生殖、老化、さらには骨、歯、髪、耳、脳の機能に深く関わるエネルギー源です。女性の「7の倍数」の節目における身体の変化は、この腎の精の盛衰と密接に関わっています。

腎の働きと重要性

「腎」は、以下の重要な働きを担っています。

  • 生命力の源: 親から受け継いだ先天の精と、飲食物から得られる後天の精を貯蔵し、生命活動の基本的なエネルギーを供給します。
  • 成長・発育・生殖の主宰: 思春期の発育、月経、妊娠、出産、そして更年期といった女性のライフステージ全般を司ります。
  • 骨・歯・髪の健康維持: 腎の精が充実していると、骨や歯は丈夫で、髪はつややかで豊かになります。
  • 水液代謝の調整: 体内の水分バランスを調整し、むくみや排尿機能にも影響を与えます。
  • 耳・脳の機能: 腎の精は耳の聴覚や脳の記憶力・思考力にも関与するとされます。

腎の機能が低下すると、「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態になり、女性の身体には様々な不調が現れやすくなります。例えば、若年での月経不順、不妊、早期閉経、更年期症状の悪化(ほてり、発汗、骨粗鬆症)、白髪、抜け毛、腰痛、耳鳴り、記憶力低下、頻尿などが挙げられます。

補腎におすすめの食材

「補腎」とは、腎の機能を高め、精を補うことを指します。特に黒い食材や粘り気のある食材、種実類は腎を養うとされています。日々の食事に意識的に取り入れることで、腎の衰えを緩やかにし、女性の身体の節目を健やかに過ごすサポートとなります。

食材カテゴリ具体的な食材主な補腎効能
黒い食材黒ごま、黒豆、黒きくらげ、ひじき、わかめ、昆布腎の精を補い、髪や骨の健康をサポート。老化防止にも。
種実類くるみ、松の実、栗、クコの実滋養強壮、脳機能の向上、腰や膝の強化。
粘り気のある食材山薬(長芋)、自然薯、オクラ、なめこ消化吸収を助け、精を補う。胃腸を丈夫にし、疲労回復にも。
その他豚肉、鶏肉、卵、エビ、牡蠣、鹿肉、すっぽん動物性の精を補い、身体を温める。

「血」を補う 補血とは

東洋医学における「血」は、西洋医学の血液だけでなく、全身に栄養と潤いを与え、精神活動を支える重要な物質と考えられています。女性は月経や出産によって血を消耗しやすいため、常に血を補う意識が大切です。

血の働きと血虚の症状

「血」は、以下の重要な働きを担っています。

  • 全身への栄養供給: 臓腑、組織、器官、そして髪、肌、爪など全身に栄養と潤いを届けます。
  • 精神活動の維持: 精神を安定させ、思考力や睡眠の質にも影響を与えます。
  • 月経の調節: 月経周期や量を正常に保つために不可欠です。

血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」と呼び、以下のような症状が現れやすくなります。

  • 全身症状: 顔色が青白い、唇や爪が白い、めまい、立ちくらみ、疲労感、動悸。
  • 肌・髪の症状: 肌の乾燥、くすみ、髪のパサつき、抜け毛、枝毛。
  • 精神症状: 不眠、夢が多い、不安感、イライラ、集中力低下。
  • 婦人科症状: 月経周期の延長、月経量の減少、無月経、生理痛。
  • その他: 手足のしびれ、こむら返り、目の疲れ、かすみ目。

特に女性は、毎月の月経で血を失うため、血虚になりやすい傾向があります。妊娠・出産時も大量の血を消耗するため、日頃からの補血ケアが重要です。

補血におすすめの食材

「補血」とは、血を生成し、その質を高めることを指します。特に赤身の肉やレバー、葉物野菜、赤い色の食材は血を補うとされています。日々の食事に意識的に取り入れることで、血の不足を解消し、女性特有の不調を和らげることができます。

食材カテゴリ具体的な食材主な補血効能
肉類豚レバー、鶏レバー、牛肉、羊肉、鶏肉血の生成を促進し、貧血改善に効果的。
魚介類マグロ(赤身)、カツオ、イワシ、アサリ、カキ良質なタンパク質と鉄分を補給し、血を養う。
野菜・豆類ほうれん草、小松菜、にんじん、トマト、黒豆黒ごま山薬(長芋)、ひじき、わかめ、プルーン、レーズン、なつめ、クコの実造血作用を助け、身体に潤いを与える。
その他卵、はちみつ、黒砂糖血の生成をサポートし、滋養強壮効果も期待できる。

補腎と補血は密接に関係しており、腎の精が充実していれば血も豊かになり、血が十分にあれば腎の精も養われます。両方を意識した薬膳ケアで、女性の身体を内側からサポートしていきましょう。

薬膳ケアにおすすめの食材 黒ごま くるみ 山薬の効能

女性の身体の節目における不調の改善、そして健やかな毎日をサポートするために、東洋医学では特定の食材が重視されます。ここでは、特に補腎と補血に優れた代表的な食材として、黒ごま、くるみ、山薬(長芋)の東洋医学的な効能と、その効果的な使い方について詳しく解説します。

黒ごま 東洋医学的効能と使い方

黒ごまは、その小さな粒に豊富な栄養と薬効を秘めた食材として、古くから薬膳で重宝されてきました。特に「黒い食材は腎を補う」という東洋医学の考え方から、腎の機能を高める「補腎(ほじん)」に優れた効果を発揮するとされています。

黒ごまの主な東洋医学的効能は以下の通りです。

食材名五性五味帰経主な効能
黒ごま平性甘味肝、腎補腎益精(ほじんえきせい)、養血潤燥(ようけつじゅんそう)、烏髪(うはつ)

補腎益精とは、腎の働きを助け、生命活動の根源となる「精(せい)」を補う作用のことです。これにより、老化の進行を緩やかにし、アンチエイジング効果が期待できます。また、養血潤燥は、血を養い、身体の乾燥を潤す作用を指します。血が不足すると起こるめまいやふらつき、肌の乾燥、便秘の改善にも役立ちます。

さらに、黒ごまは「烏髪(うはつ)」、つまり髪を黒くする効能があるとも言われています。これは、腎の機能が充実することで、髪の毛の健康が保たれるという東洋医学の考えに基づいています。白髪や抜け毛が気になる方にもおすすめです。

黒ごまの効果的な使い方:

  • 炒って使う:香ばしさが増し、消化吸収も良くなります。
  • すりごまにする:栄養成分が吸収されやすくなります。
  • ドリンクに加える:牛乳や豆乳に混ぜて、手軽に補腎・補血ドリンクとして。
  • 和え物やふりかけ:料理に少量加えるだけで、栄養価と風味をアップできます。

くるみ 東洋医学的効能と使い方

くるみは、その形状が脳に似ていることから「脳に良い」というイメージがありますが、東洋医学ではそれ以上に「腎」を補う重要な食材として位置づけられています。特に、身体を温める温性の性質を持つため、冷えやすい体質の方や、腎の陽気が不足している方におすすめです。

くるみの主な東洋医学的効能は以下の通りです。

食材名五性五味帰経主な効能
くるみ温性甘味腎、肺、大腸補腎益精(ほじんえきせい)、温肺定喘(おんはいていぜん)、潤腸通便(じゅんちょうつうべん)

補腎益精の効能により、くるみは腰や膝のだるさ、頻尿、耳鳴りといった腎の衰えからくる症状の改善に役立ちます。また、温肺定喘は、肺を温めて咳や喘息を鎮める作用を指します。乾燥による咳や、冷えからくる呼吸器系の不調にも有効です。

さらに、くるみは潤腸通便の効能を持ち、腸を潤して便通を良くする作用があります。特に、乾燥性の便秘や高齢者の便秘に効果的です。現代栄養学で言われるオメガ3脂肪酸の豊富さも、東洋医学の「潤い」の概念と関連していると言えるでしょう。

くるみの効果的な使い方:

  • そのままおやつとして:少量(1日5~6粒程度)を毎日食べることで、手軽に栄養補給ができます。
  • 料理に加える:炒め物やサラダ、パンやお菓子の材料としても幅広く活用できます。
  • スープや煮込み料理:くるみを加えることで、料理にコクと滋養がプラスされます。

山薬 長芋 東洋医学的効能と使い方

山薬(さんやく)は、一般的に「長芋(ながいも)」や「自然薯(じねんじょ)」として知られるイモ類です。東洋医学では、脾(消化器系)、肺、腎の三つの臓器に働きかけることから、非常に幅広い効能を持つ滋養強壮の食材として珍重されてきました。

山薬の主な東洋医学的効能は以下の通りです。

食材名五性五味帰経主な効能
山薬(長芋)平性甘味脾、肺、腎補脾養胃(ほひようい)、補肺益腎(ほはいえきじん)、益気固精(えっきこせい)

補脾養胃は、脾(消化吸収を司る臓器)と胃の働きを助け、消化吸収能力を高める作用です。これにより、食欲不振や消化不良、疲労感の改善に役立ちます。また、補肺益腎は、肺と腎を補い、呼吸器系や泌尿器系の機能を高める作用です。慢性的な咳や喘息、頻尿、夜間頻尿といった症状の緩和が期待できます。

さらに、山薬は益気固精の効能を持ち、気を補い、精(生命エネルギー)を固める作用があります。これは、身体の抵抗力を高め、疲労回復を促進し、精力減退の改善にもつながるとされています。糖尿病の改善にも有効であるという報告もあります。

山薬の効果的な使い方:

  • 生食(とろろ):生の山薬に含まれる消化酵素「アミラーゼ」が、消化吸収を助けます。胃腸が弱い方におすすめです。
  • 加熱調理:加熱することで、補脾・補肺・補腎の効能がより高まります。煮物、炒め物、スープなど、幅広い料理に使えます。
  • すりおろして使う:他の食材と混ぜやすく、栄養を効率的に摂取できます。

これらの食材を日々の食事に意識的に取り入れることで、女性の身体の節目における変化に柔軟に対応し、不調を改善しながら健やかな毎日を送るためのサポートとなるでしょう。

“7の倍数”で変わる女性の身体をサポートする薬膳レシピ

東洋医学の知恵を取り入れた薬膳は、日々の食事を通して女性の身体の節目を穏やかに乗り越えるための強力なサポートとなります。ここでは、前章でご紹介した黒ごま、くるみ、山薬(長芋)を主役にした、手軽に作れて滋養効果の高い薬膳レシピをご紹介します。これらのレシピは、「腎」を補い、「血」を養うことを目的としており、年齢を重ねるごとに変化する女性の身体の不調を和らげ、健やかな毎日を送るための助けとなるでしょう。

黒ごまを使った補腎レシピ

黒ごまは、「腎」の機能を高め、髪の毛のツヤや肌の潤いを保つのに役立つ食材です。手軽に摂取できるデザートやドリンクで、毎日コツコツと補腎ケアを始めましょう。

黒ごまプリン

なめらかな口当たりで、デザート感覚で美味しく補腎できる一品です。小腹が空いた時や食後のデザートに。

  • 材料:黒ごまペースト 大さじ3、牛乳 200ml、砂糖 大さじ2(お好みで)、粉ゼラチン 5g、水 大さじ2
  • 作り方:
    1. 粉ゼラチンは水でふやかしておく。
    2. 鍋に牛乳と砂糖を入れ、弱火で温めながら砂糖を溶かす。沸騰させないように注意する。
    3. 火を止め、黒ごまペーストを加えてよく混ぜ溶かす。
    4. ふやかしたゼラチンを加え、余熱で溶かしながらよく混ぜる。
    5. 粗熱が取れたら器に流し入れ、冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。

黒ごまきな粉ドリンク

朝食にプラスしたり、小腹が空いた時に飲むことで、手軽に補腎と補血をサポートします。きな粉の食物繊維も加わり、腸内環境にも良い影響が期待できます。

  • 材料:黒ごま 大さじ1、きな粉 大さじ1、牛乳または豆乳 200ml、はちみつ 小さじ1(お好みで)
  • 作り方:
    1. 黒ごまはすり鉢でよくするかすりごまを使用する。
    2. すべての材料をミキサーに入れ、なめらかになるまで混ぜ合わせる。
    3. コップに注ぎ、温かくても冷たくても美味しくいただけます。

くるみを使った補腎レシピ

くるみは、「腎」を温め、滋養強壮に優れるとされています。また、良質な脂質を含み、脳の働きをサポートする効果も期待できます。料理やおやつに取り入れてみましょう。

くるみと鶏肉の炒め物

くるみの補腎効果と鶏肉の気を補う効果を組み合わせた、メインディッシュにもなる一品です。身体を温め、エネルギーを補給します。

  • 材料:鶏もも肉 1枚、くるみ 50g、ピーマン 1個、パプリカ(赤・黄) 各1/4個、生姜の薄切り 2枚、サラダ油 適量、醤油・酒・みりん 各大さじ1、オイスターソース 小さじ1
  • 作り方:
    1. 鶏もも肉は一口大に切り、ピーマンとパプリカは乱切りにする。くるみは軽く砕く。
    2. フライパンにサラダ油と生姜を入れて熱し、鶏肉を皮目から焼き色がつくまで炒める。
    3. ピーマンとパプリカを加えて炒め合わせる。
    4. くるみを加え、醤油、酒、みりん、オイスターソースを加えて全体に絡めながら炒める。
    5. 器に盛り付けて完成。

くるみとデーツのおやつボール

砂糖不使用で自然な甘みが楽しめる、罪悪感なく食べられるおやつです。補腎と補血を同時に叶え、小腹が空いた時や集中したい時に最適です。

  • 材料:くるみ 50g、デーツ(種なし) 100g、ココアパウダーまたはきな粉 適量(まぶす用)
  • 作り方:
    1. くるみとデーツをフードプロセッサーに入れ、全体がまとまるまで攪拌する。
    2. 生地を一口大に丸め、お好みでココアパウダーやきな粉をまぶす。
    3. 冷蔵庫で冷やし固めると、より美味しくいただけます。

山薬 長芋 を使った補腎補血レシピ

山薬(長芋)は、「腎」と「脾胃」の両方を補う優れた食材です。消化吸収を助け、身体の内側から滋養を与え、気力や体力の回復をサポートします。

山薬と豚肉の滋養スープ

身体の芯から温まり、疲労回復にも効果的なスープです。豚肉の血を補う力と山薬の滋養効果で、全身の巡りを良くし、活力を高めます

  • 材料:山薬(長芋) 150g、豚バラ薄切り肉 100g、きのこ類(しめじ、えのきなど) 50g、生姜の薄切り 3枚、だし汁 500ml、醤油 大さじ1、酒 大さじ1、塩 少々
  • 作り方:
    1. 山薬は皮をむいて一口大の乱切りにする。豚バラ肉は食べやすい大きさに切る。きのこ類は石づきを取り、ほぐす。
    2. 鍋にだし汁と生姜を入れ、火にかける。
    3. 沸騰したら豚バラ肉を加え、アクを取りながら煮る。
    4. 山薬ときのこ類を加え、山薬が柔らかくなるまで煮込む。
    5. 醤油、酒、塩で味を調える。

山薬と卵のふわふわ焼き

卵の補血効果と山薬の補腎効果を組み合わせた、胃腸に優しく、手軽に作れる一品です。朝食や夕食の副菜にもおすすめです。

  • 材料:山薬(長芋) 200g、卵 2個、万能ねぎ(小口切り) 適量、だし醤油 大さじ1、ごま油 適量
  • 作り方:
    1. 山薬は皮をむいてすりおろす。
    2. ボウルにすりおろした山薬、卵、だし醤油、万能ねぎを入れ、泡立て器でよく混ぜる。
    3. フライパンにごま油を熱し、生地を流し入れ、弱火で蓋をして焼く。
    4. 表面が固まり、焼き色がついたら裏返し、両面に焼き色がつくまで焼く。
    5. 食べやすい大きさに切り分けて完成。お好みでポン酢や大根おろしを添えても良い。

まとめ

東洋医学の知恵は、女性の身体が“7の倍数”で変化し、それぞれの節目で適切なケアが必要であることを教えてくれます。特に、年齢とともに衰えがちな「腎」と「血」を補う「補腎」「補血」の薬膳は、各年代の不調改善に不可欠です。黒ごま、くるみ、山薬(長芋)といった身近な食材を取り入れた薬膳レシピを日々の食事に継続的に取り入れることで、女性特有の不調を和らげ、健やかで充実した毎日を送るための土台を築くことができるでしょう。自身の身体の声に耳を傾け、東洋医学の知恵を活かした薬膳ケアで、生涯にわたる健康を育んでいきましょう。

この記事を書いた人

石倉 るみ (公式アンバサダー)

薬に頼らず整える薬膳🌿
栄養士歴18年、薬膳料理教室を主宰するママ栄養士です。
スポーツ栄養インストラクターとして、
家庭でも実践できる「簡単薬膳」を発信しています。
軽度ADHDの息子を育てる中で、心と体を整える食卓の大切さを実感。
同じように頑張る方々に寄り添いながら、健やかな毎日を支える食を提案しています。
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